過去ログ - 今日この板を見つけた俺がおまえらの書き込みから適当に物語を進める
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52: ◆LeqE6uV6e6Od[saga]
2011/08/01(月) 21:57:13.60 ID:VLVsNVVk0
(くそ)

夢の記憶がまだ残っていた。

頭に手を当ててゆっくりとかぶりを振る。
しかし、夢の記憶は抜け落ちてくれなかった。

やがて、忘れるだろうか?
普通なら、夢での光景なんてすぐに忘れてしまうだろうが、悪夢は墓場に行ってくれないことを僕は知っていた。
僕の継母となる予定だった彼女が刺されてからしばらくの間、眠りにつくと彼女が僕を責めるのだ……。

せめてもの気分転換にシャワーでも浴びようと立ち上がった。
無意識のうちにパソコンを見る。僕の生活リズムに取り込まれているので意図せずとも気がつくと向かっているのだ。

そこで昨日書いていたネームのことを思い出した。
せっかくなのでいつもの掲示板にアップロードしていこう。
シャワーを浴びて終わってからページを更新すれば、いくつかの反応がついているだろう。

スキャナーでネームを取り込んでいる最中、段々と普段通りの気だるさが僕を支配しはじめた。
そもそも、ネームで画像とアップロードされたって状況があまりわからないのではないか。

(それに、十五ページも上げると目を通す側も次第に面倒になってきて、的確なアドバイスがもらえないかもしれない)

パソコンを見ると、画像が三枚取り込まれたところだったので、この三ページだけペン入れをしようと絵を描くソフトを起動させる。
不思議なもので、画面の向こうの誰かからの反応が貰えるとあれば、様々な煩わしさがどこかへと消えてしまった。
作画は進捗に進み、一時間ほどで三枚仕上がった。主線しか引いていないが、まあ良いだろう。このままアップロードしてしまえ。

『昨夜読んだ、娘を複製するために、という小説が面白かったので漫画形式にしてみました。
 ファンの皆様方のお目汚しになるかと思いますが、どうかお見逃しください』

書き込み、反映されたことを確認すると、今まで押しのけていた全てが押し寄せてきた。
シャワーを浴びることも何かを口に入れることも忘れ、布団に横になると意識が遠のいていった。


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