過去ログ - 今日この板を見つけた俺がおまえらの書き込みから適当に物語を進める
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◆LeqE6uV6e6Od
[saga]
2011/09/04(日) 23:45:47.36 ID:F89mblmA0
Act.1 ◆ 【みえないばしょ】
夜がネオンライトによってその色を変えられていた。
赤、黄、橙、緑、青……無数の光が飛び交うきらびやかな表通りでは、喧騒が止むことはない。
しかし、光が強ければ強いほどに影も濃くなることは世界の常であり、建物の間を抜けていくとすぐに影へと到達する。
細い路地。壁に這うパイプ管。壊れた室外機。路地裏にある全ては黒く汚れている。
まるで、表側の穢れの一切を引き受けたかのように。
そんな、裏側の風景に似つかない端麗な少女が複数の男たちによる怒号に囲まれていた。
傷の走った顔面。膨らんだ肉体。威圧する空気……。
その風体から、表側の定義では真っ当でない人間だと一目で分かる凄みを発散させている。
「テメェ裏切る気かこの野郎!」
「裏切ってなんかいません。ソレニ、ワタシは野郎じゃありませんけど」
頬に傷を持つ男が吼える。
金色の癖毛を指でいじりながら、怯む様子なく少女は返した。
「依頼は完了しました。デスカラ、通してください」
「組長の容態が治ってねェじゃねえか!」
「コレカラ、治っていきますって」
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