24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/08/03(水) 02:37:21.49 ID:UwF03LhUo
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気がつけば、あんなに煩かった蝉の声がぴたりと止んでいた。
キィン、と小さな耳鳴りをおぼえながら、私は目の前で微笑む彼女から目を逸らせずにいた。
彼女のーーーー《憂》の手が、再び私の頬を撫でる。
感覚が麻痺してしまったのか、その手が暖かいのか冷たいのかも分からない。
「ごめんね、和ちゃん。悲しい思いをさせて」
《憂》はそう言って、ベッドの端に腰を下ろした。ぎしり、とスプリングが沈む。
彼女の右手が私の左手をとらえて、指を絡ませてきた。
「……あなたは、幽霊なの?」
私の質問に彼女は少し眉を上げて、それからくすくすと笑った。
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