過去ログ - エリー「私と5つの物語……///」
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27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/08/05(金) 20:42:27.82 ID:rkRztRK1o
私は目を伏せて、静かな朝の部屋にかすかに漂う櫛の音を聞いていました。
コーデリアさんは丁寧に私の髪を梳かしていきます。
私の座っている小さないすの足下には光が揺れていました。
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2011/08/05(金) 20:44:23.40 ID:rkRztRK1o
コーデリア「ほんと、私のにしちゃいたいくらい……」
頬を寄せたコーデリアさんの長いブロンドの髪が私の頬に触れ、胸の前に流れました。
私はとてもどきどきしていたけれど、それでも、どうしても指が動いてしまうのです。
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2011/08/05(金) 20:45:34.18 ID:rkRztRK1o
ネロ「じゃっじゃーん!」
両手いっぱいにフルーツを抱えたネロがシャロと一緒に部屋に帰ってきたのです。
すべるようにコーデリアさんの髪が私の手元を離れました。
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2011/08/05(金) 20:46:56.89 ID:rkRztRK1o
私たちのそんなやりとりをコーデリアさんは笑顔で見守っていました。
けれども、ふと私と目が合った瞬間、ウインクをしてその唇に白くて長い指を当てる仕草を私に見せたので、私はいっそうどきどきしてしまうのでした。
ネロ「そんなことよりみんなで食べようよ、これ!」
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2011/08/05(金) 20:48:04.86 ID:rkRztRK1o
エリー「それで、アンリエットさんは……? 一緒に食べたいって言ったんじゃ……」
ネロ「そのうち来るでしょ? そんなことより、たべよー!」
コーデリア「だめよぉ、ネロ。ちゃんと待たなきゃ」
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2011/08/05(金) 20:48:52.67 ID:rkRztRK1o
ネロ「んー? 『エルキュールはコーデリアのマンゴーが気になるのかい?』」
エリー「ええっ!?///」
コーデリア「あらぁ、ネロぉ、今日はモノマネが冴えてるわねぇ」
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2011/08/05(金) 20:50:27.36 ID:rkRztRK1o
笑い声はみずみずしい果実の明るい色に溶けていきます。
こんな風に、みんなで笑って、楽しい時間を過ごす。
当たり前のようでいて、こんな空間、こんな時間は他には見つけられないような幸せなんだなってふと思うのです。
34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/08/05(金) 20:52:13.36 ID:rkRztRK1o
そんなことを考えつつ、ふと目を上げると、突然コーデリアさんの吸い込まれるように深く澄んだみどりの瞳が私をとらえました。
それはなぜか心持ち目を伏せた、憂いのある、この場に似合わぬ深刻さをたたえて、私の瞳を抱擁するのです。
それはまるで重大な何かを秘めているようでした。
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2011/08/05(金) 20:53:37.75 ID:rkRztRK1o
ネロ「んーっ、このオレンジすっごくおいしい!」
シャロ「わ! ほんとですー」
シャロとネロは食べるのに夢中です。
36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/08/05(金) 20:54:33.58 ID:rkRztRK1o
しかし、私はそれよりもさっきの瞳の意味を知りたかったのでした。
エリー「あの、コーデリアさん? さっき、なんであんなに悲しそうな目……を……」
それ以上は言葉を継げませんでした。
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