過去ログ - エリー「私と5つの物語……///」
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55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/08/05(金) 21:31:35.75 ID:rkRztRK1o
また読書に戻ります。

次に少女が出会うのはトランプの王様たち。

たくさんのトランプが人のように行進しているのです。

そして、少女はいきなり飛び散るトランプに包まれて……

突然、強い風が吹き、私はとっさにめくれるページと髪を手で押さえました。

すると、鳥の羽音のような音とともにたくさんの紙片が舞い降りてきたのでした。

エリー「きゃっ!」

それはまるで物語の少女を包むトランプのようでした。

コーデリア「あら、エリー?」

エリー「こ、コーデリアさん?」

舞い落ちる紙片の向こうに見えたのはコーデリアさんでした。

手には折り紙を持っています。

コーデリア「ごめんなさい、いきなり強い風が吹いたから……」

ふたりで折り紙を広い集めると、一緒にベンチに座りました。

コーデリアさんはうれしそうに庭を眺めていました。

コーデリア「ここ、すてきなお花畑ね」

エリー「ほんと、ですね……」

コーデリア「でも、そのきのこはここには不似合いじゃないかしら?」

コーデリアさんはネロが置いていったきのこを見て言いました。

エリー「あの、これはネロが持ってきて……」

コーデリア「……ネロのことなんだけどね、さっきリボンを結んであげたんだけど、様子が変だったのよねぇ」

コーデリアさんは横目で私をみました。

コーデリア「なにか、わかった?」

エリー「えっ? あの、えっと、気にしてる、みたいです……」

コーデリア「えー? なにを?」

エリー「ネロ、自分には似合わないって思ってるみたいで……」

コーデリアさんは意外そうな表情でしたが、ふと笑みを漏らして言いました。

コーデリア「ふーん、そっかぁー」

エリー「どうか、したんですか?」

コーデリア「あれね、昔ネロがくれたものなのよ」

エリー「えっ、そうなんですか?」

そのとき高くひらめいた蝶を見上げるコーデリアさんの横顔を、私はじっと見つめました。

コーデリア「ええ。そういえばそのときも、『こういうのはコーデリアの方が似合うから』って言ってたわね」

エリー「ネロは、そのこと……」

コーデリア「覚えてないみたいね」

コーデリアさんは、ふふっ、と穏やかに笑いました。

コーデリア「それで、きのこ」

エリー「あげられなかったみたいです」

コーデリア「なるほどね。あの子、普段は見せないけどそういうとこ気にしてるのよねぇ」

エリー「はい……」


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