過去ログ - エリー「私と5つの物語……///」
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63:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/08/05(金) 21:41:13.92 ID:rkRztRK1o
雨上がりの空は夕暮れの色を淡くにじませ、うすく散らばった雲は濃緑の山々からひとつひとつはなれていきます。
こちらに背を向けたネロは空を見上げていました。
鳥たちと遊んでいるようです。
私はしっとりとしてさわやかな空気の中を、雨露に光る草を踏み、歩きます。
確かに何かを予感しながら。
エリー「ネロ……///」
ネロの手から雲雀が、淡い光の漂う空へ高く舞い上がります。
まるですべてがわかっていたかのように、ネロはふりむきました。
ネロ「エリー」
私はふしぎと落ち着いていて、自然にその言葉を口にしました。
じっとネロの目を見つめて、ずっと胸の中にあったその言葉を。
エリー「ネロ、私、あなたが好き。大好き。ずっと……ずっと前からネロのこと、好きだった……///」
私がその言葉を言いきると、ネロは優しく目を細めました。
ネロ「うん。僕もエリーのこと、好きだよ」
雲間から薄い光が射し、あたりを包みます。ネロは私に両腕を広げました。
ネロ「おいで、エリー」
私はたまらなくなってネロに駆けより、彼女の体に身を寄せました。
ネロは私を抱いて、頭をなでます。
エリー「たぶん……ほんとにずっとずっと前から好きだったんだと思う……」
ネロ「そうだね。僕も、ずっと、前から」
私はネロの身体にそっと腕をまわし、ぴったりと寄り添いました。
エリー「ねえ、ネロ? これが私の、初恋よ……///」
ネロ「エリー……」
ネロはぎゅっと私を抱きしめ、私の髪に顔をうずめました。
すぐ近くにネロの熱い呼吸を感じます。
雲雀のうたう声が空高くかすかにきこえるだけの、なんとなく、でもとっても幸福な、そんな時間でした。
第4話 初恋 おしまい
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