12: ◆BMkVgrQB5qSZ[sage saga]
2011/08/12(金) 01:01:21.61 ID:BFRrGUMm0
「や、やだ。何かいる」
「冗談だよね? ねえ、嘘って言ってよ。ねえ、まどか!」
ひげをはやした毛玉のような生き物が、わらわらと出てきて、二人を取り囲む。
恐怖はどんどん加速していく。それでも、さやかは反射的にまどかの前に立っていた。
正体不明の生き物は恐ろしい表情で距離をつめてくる。逃げ道などない。
「あら、その制服、あなたたちも見滝原の生徒みたいね。二年生? それとも一年生?」
「だ、誰よ、あんた」
「嘘……どうして?」
「驚かせてごめんね。でも自己紹介の前に、ちょっと一仕事、片付けちゃっていいかしら」
絶体絶命の窮地に、一人の少女が登場した。
転校生の例があったことから、知らない顔を見たさやかは、より警戒を強める。
一方、まどかは怯えていた。
まどかにとって、今日という日ほど不思議な日はなかった。
目の前にいる巻き髪の少女は、自分が夢の中で見殺しにした人なのだから。
そんな二人に、彼女はやさしく声をかけ――変身する。
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