15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/08/13(土) 12:53:35.46 ID:Gu3hpdcq0
「・・・それで、これはいったい何なんだ?」
「見れば解るでしょ。メッセージ」
「まさか、織姫と彦星宛とかいうんじゃないだろうな?」
そのまさかなもんだから、こいつの驚きは今日見せたもののどれとも比べものにはならないのである。
「どうして解ったの?」
何度見ても笑いそうになるそのかすかな動揺を、いつからか微笑ましく思う俺を俺は嫌いではない。
「・・・・・・まあ、七夕だしな。似たようなことをしているやつを知っているだけだ」
「へえ。ぜひ知り合いになりたいわ。北高にそんな人がいるわけ?」
「・・・・・・まあな」
「ふーん。北高ね・・・」
長門のしおりを見なくとも、そのメッセージが何を言っているのかを知っている。
こいつが運動場ひとつを丸々占領し、いるかいないかもわからない(実際いたけど)
どこぞの誰かさんが見ることを願いながら、そいつに伝えたいことを知っている。
だけど、それは言わない。言えない。
142857回こなした単純作業。
文字の意味を知っていても、この文字に込めた、こいつの孤独がいかほどのものなのかを俺は知らないままだ。
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