29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/08/16(火) 00:08:01.18 ID:xA3bNg18o
私たちは、そんな阿鼻叫喚の中で働いていたのです。
『飯はまだか!早くしてくれ!腹が減ってんだ!』
「あずにゃんたちがさっき“飯上げ”に行ったよ!ちょっと待って!」
『女学生さん、痛てぇ、痛てぇよ!』
「はいはい!もうすぐ治療班が来るよ!」
薬も包帯も器具も不足していましたが、呼ばれれば応えないわけにはいきません。
私がある兵隊さんに近寄ると、
『傷がかゆい、包帯代えてくれ、ウジを取ってくれ!』
「り、了解です!澪ちゃん、包帯ある?」
「無い、な。また同じ包帯を使うしかない……」
血糊でくっついた包帯は固まって腐ってしまい、ほどくにほどけません。
澪ちゃんが、ハサミを借りてきたので、包帯を切り開きます。
……ドロリ。
ゼラチンか濃い鼻水みたいな大量の膿汁が、強烈な悪臭とともに溢れ出て、足もとに太ったウジが何匹も転がります。
「おぇ……」
「……ゴホっ」
私と澪ちゃんは、思わず一瞬吐き気を催して顔を背けると、ランプで照らされた薄暗い壕の奥で、
他のみんなが修羅場の中で苦闘している姿が見えました。
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