30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/08/16(火) 00:10:23.72 ID:xA3bNg18o
『水が欲しい!水くれぇ!』
りっちゃんが、発熱患者の頭を冷やすタオルのための泥水を運んでいると、
いきなり寝台から伸びてきた兵隊さんの手に、腕を捕まれています。
「ダメだダメだ!これ泥水だし!それに水飲むと傷が悪くなるから!」
『頼むから水を!水ぅ!』
りっちゃんがその手をふりほどくと、その兵隊さんはいきなり近くにあった空き缶をつかみ、
それを口に運んだのです。
「あ!やめろ!飲むなって!それ尿器だから!」
中には渇きに耐えかねておしっこを飲んでしまう兵隊さんもいました。
「うぅ……傷の奥に入り込んで……」
私は、暗い手元を見つめ眉間にしわを寄せ、ウジを取っています。
『ぐぅう!痛いぃぃい!』
「ひえぇ、ごめんなさい!」
無理に取ろうとすれば、兵隊さんが苦悶の表情で身をよじるのです。
ピンセットもなく、そのへんの葉っぱの茎でウジをかき出していました。
するとまた、別の場所から叫び声が上がります。
『用が足したい、便器くれ、尿器くれ!』
「おい澪!これ持ってってやって!」
りっちゃんが、尿器に口をつけていた兵隊さんから尿器をむしり取って、澪ちゃんに渡します。
「え!? ちょっと、誰に持って行くんだよ!」
「いま声がしたろ!自分で探してくれよ!」
澪ちゃんとりっちゃんが言い争うように問答していると、奥のほうから怒鳴り声が上がります。
『ちくしょう、上のヤツがションベン漏らしやがった!ふざけやがって!』
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