48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/08/17(水) 00:10:27.05 ID:c+5+k8k3o
そして、私たちは、ようやく南部へ撤退していく学徒隊の列に追いつくことができました。
雨が激しくなり、たちまち、脚もとは膝まで浸かるようなぬかるみと化します。
私たちを引率しているさわ子先生が、私を心配して声をかけてくれましたが、
「どうしても重たければ、捨てていってもいいのよ?」
「ううん、大事なものだから……」
薬や包帯がないために苦しんだ兵隊さんたちを思うと、捨てていくことはできませんでした。
しかし、豪雨の中を歩いていると、背負っている毛布や包帯や脱脂綿が水を吸って重くなり、肩に食い込むのです。
みんな、大事な医薬品や、食料や、書類を背負ったり、てんびん棒で担いだりしています。
「しゃらんら…、しゃらんら……」
力持ちのムギちゃんは、米俵を背負ったうえに、傷ついた級友を担架で運んでいますが、
気丈に振る舞ってはいても、さすがに疲労の色は隠せませんでした。
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