55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/08/17(水) 00:40:08.26 ID:c+5+k8k3o
―――そして、六月一八日
私は、飛び交う銃砲におびえながらも、その夜に伊原の第三外科壕に戻りました。
澪ちゃんとりっちゃんは、入れ違いで伝令に出かけたようです。
しばらくして、さわ子先生が、学徒隊のみんなを集めました。
“何だろう……”
“女学生も斬り込みに行くの?”
“まさか…”
“きっと、新兵器ができて日本が勝ったのよ……”
みんな口々に、ひそひそとうわさ話をしていましたが、
「……みなさんに、大事な話があります。時間がないから、静かによく聞いてね」
先生は、険しい表情で一人ひとりの顔を見据えるように、伝えます。
「軍の命令で、学徒隊は、ただいまをもって解散することになりました……」
「え、解散……って、どういう、こと?」
ポカンとしている私たちの頭に、さわ子先生の言葉が静かに響きます。
「今後は、重傷で動けない人以外は、壕から出て各自行動することになります。
大人数は危ないから、4、5人で班を作って、国頭まで逃げてちょうだい。
途中で負傷した人は、置いていって。お互い、その覚悟で逃げるのよ。
どうか一人でも生き延びて、私たち学徒隊の働きを伝えて……」
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