過去ログ - インデックス「……おめでとう。とうま、みこと」
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32: ◆jVYAigOtyU[saga]
2011/08/18(木) 22:55:51.32 ID:FhNTtJKdo


「げっ」

漏れた小さな声は御坂のものだろうか。
子供が苦手な食べ物を見つけたかのような声だったが、その表情は上条に阻まれて窺い知ることはかなわない。

「なんで帰ろうとするの、この意気地なしっ! ってミサカはミサカはあなたの服をひっぱってみたりぃいい!!」

「……チッ」

意気地なしと言われては矜持が許さなかったのか、それとも単純に騒がれたくなかったのか。
店内の面子を確認した途端身を翻そうとしていた学園都市第一位は、
年端もいかぬ少女の抗議により呆気なく抵抗をやめた。
こちらを向いた唯一の有彩色が苦々しげに歪められている。

「わー、皆いる! お姉様も! こんにちはってミサカはミサカは元気にご挨拶!」

一方通行を引っ張りながら、みょんみょんとあほ毛を揺らす打ち止めは嬉しそうに一同をぐるりと見回して、
その中に御坂の姿を見つけると更に花が咲いた様な笑顔を浮かべた。

「引っ張るなクソガキ。歩き難い」

そう悪態を吐きながらも特に抵抗らしい抵抗もしない一方通行を浜面がニヤニヤと眺める。
どうやら普段どうやっても勝てない相手がこうして年端も行かない少女にやり込められている姿を見るのが
大層面白いらしかった。

そのまま打ち止めは浜面の隣にちょこんと収まって一方通行を引っ張り込む。
本来三人掛けを想定したソファに四人入る形となったが、
打ち止めが小さいのと一方通行が細いのも相俟って広めのソファには難無く収まることが出来た。

「わーい。皆と会えるなんて嬉しいね、ってミサカはミサカは大喜びしてみたり!」

「打ち止め、元気だった?」

「うん、元気だよー! ってミサカはミサカは全身で元気なことをアピールしてみるっ!」

「おい、暴れンじゃねェよ」

不思議なものだ。
途端賑やかになった場の空気に和みながらインデックスは微笑む。
打ち止めの登場はどちらかと言えば彼女にとってありがたいものだった。
天真爛漫な少女の存在は自分にいつものペースを取り戻させるのに実にちょうどいい。



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