過去ログ - インデックス「……おめでとう。とうま、みこと」
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6: ◆jVYAigOtyU[saga]
2011/08/15(月) 22:09:13.63 ID:vCfH7hl3o


科学の中心を漂っていた思惑は行き先の見えぬ世界に価値を見出だし、硝子の外へと姿を消した。
魔術の片隅に巣食っていた思惑は時代の変化を認め、その輝きを何処かへと消し去った。
そのどちらにも属さない世界に潜んでいた思惑は他者との共生を選び、日常へと溶けて行った。

世界の不幸という幻想をぶち殺す少年がいる。
少女が待ち続けた少年。
少女に世界を与えてくれた少年。

つまりその少年が守った世界と言うのは、どんな季節であれ少女にとって最高に美しい。

インデックスは今、とても幸福であった。

とは言え、一を手に入れれば十を求めるのが人間である。

インデックスは最近特に自分の浅ましい思いを強く認識する。

こんなに恵まれた自分。
穢れを背負いながらも救いを与え続けられた自分。
これ以上望むべく幸運などあるはずがないのに。
どうしたって少女の心が渇望するのは至上の贅沢。

つまりインデックスという年頃の少女は上条当麻との関係の変化。
もっとはっきりと言葉にするならば進展が欲しいのだ。

だけどこの欲求はいつだってたった一つの言葉に帰結する。

自分は修道女だ。

たとえ修業中の身であると言い訳をしようとも。
たとえ心の自由が許されようとも。

どうしたって越えられぬ一線があった。

インデックスには立場と役割を捨てることなど、到底出来ない。
だから二人はずっとこのまま過ごしてゆくのだろう。
狭い学生寮で二人きり。
笑い合って、時には喧嘩して、不幸だと嘆いて。

それでも二人はずっと幸せ。

その、はずだったのに。



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