過去ログ - 真宵「これも、また、戯言ですかね」
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12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 10:57:39.59 ID:4VTMtEH9o
それにしたって、日曜日の公園に、僕しかいないだなんて、まるで世界に僕一人しかいな
いみたいじゃないか。とても孤独だ。とてもとても孤独だ。しかし、この状況こそが僕には
ふさわしいのかもしれなかった、こんな――生きているだけで――他人を殺してしまうよう
な――できそこないの僕には――独りこそふさわしい。
「戯言なんだろうけどな、ったく」
やはり、一人でいる寂しさが僕を考えさせるのかもしれない。僕だけ、独りだけだから。
……ん。いや、一人、いた。僕だけではなかった、僕の座っているベンチから、広場を挟ん
で反対側、公園の隅っこの方、鉄製の看板、案内図――このあたりの住宅地図を眺めている、
小学生が一人。背中を向けているので、どんなこかはわからない。大きなリュックサックを
背負っているのが印象的だ。一瞬、仲間を見つけたような気になって――そんなモノがいる
はずがないのに――僕の心はかすかに緩んだが、しかし、その小学生は、その案内図にしば
らく向き合った後、何かを思いついたように、公園から去っていった。そして僕だけになっ
た。
また一人か。
また独りか。
そんなことを思った。
そんな最高のコンディションから――蝸牛にまつわるそのエピソードは、始まった。
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