過去ログ - 真宵「これも、また、戯言ですかね」
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17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)
2011/08/16(火) 11:01:35.73 ID:4VTMtEH9o
「いや、お礼だなんて」
「謙遜しなくてもいいわ。阿良々木くんがいなかったら、私、あの蟹に殺されていたのかも
しれないし」
「蟹?」
 あっ!
 そうだ。思い出した。
 本来ならば忘れるはずのない、忘れられるはずもない子じゃないか。何故覚えていなかっ
たのだろう。
「そんな、別に、僕がいなかったところで、結果は変わらなかったよ。戦場ヶ原ひたぎちゃ
ん」
「あら、いきなり、フルネムで呼んでくれるなんて、嬉しいわ。阿良々木くん」
 ん?なんだろう。まだ、僕は何か忘れているのだろうか。不思議な感じがする。不自然な
感じがする。そうだ。何故、ひたぎちゃんは、こう何度も、「阿良々木くん」と呼ぶんだ?
まあ、特に、意味はないのかもしれないが。
「でも、私、阿良々木くんには本当に感謝しているのよ。何かして欲しいこととかそんなの
でもいいのよ?何かないの?」
「――感謝ねぇ」
 忍野にでもしとけばいいのに……まあ、でも、あいつなら、一人で勝手に助かっただけと
か、そんな風に言うんだろうけれど……
「ま、でも実際、そんな恩に感じられるほどのことはしたとも思ってないんだから、僕に対
して、恩を感じるとか、そういうのは、見当違いだよ。きみは何も気にする必要はないんだ。
これから仲良くやっていきにくくなるしね」
「仲良く、ね」
 ひたぎちゃんは、口調を全く変えずに言う。



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