15:Until reaching the starting line ◆oEZLeorcXc[saga sage]
2011/08/17(水) 16:28:29.08 ID:5Lu3WJlC0
「か、勘弁してよ…………笑いすぎて、お腹が痛い、じゃない」
苦しそうにお腹を押さえて蹲る。まだ小刻みに肩が震えていた。
「……ンなにおかしいか?」
「当たり前じゃない」
笑いすぎて涙を浮かべている少女とは対照的に、少年はいたって真面目な顔をしている。
「私は結標淡希よ? 『八人目』の候補で超能力者<レベル5>相手でも状況次第では勝てるって言われてる人間よ? そんな人間を夜遅いから送るってそんなの」
「オマエだって女だろォが」
「…………へ?」
少女はその答えにきょとんと呆けてしまう。
無理もない。
普段の少年からでは想像もつかない言葉だったからだ。
たっぷりと間を置いて少女は呟くように反応を返す。
「私を女として見てくれるなんて光栄ね。中学生以上はババアじゃないのね」
少女は長い間、男女の区別なんてない戦いの場にその身を置いていた。
敵も味方も自分さえも女として扱わないような空間に。
だから少年からも女だなんて扱われた事はなかった。
「あ、でもババアも女ね」
驚き、そして少しの火照る頬を隠すために、返す言葉に少年を揶揄する毒を混ぜる。
「ハイハイ、似合わねェ事提案した俺が悪かったよ。もう黙れショタコン露出狂」
案の定少年の機嫌は悪くなったようで不機嫌そうに毒づいて言葉を返す。
「だって貴方が私を心配してくれるなんて思ってなかったもの」
「そもそもオマエは見てくれだけはイインだ。ンな人間が露出狂みたいなカッコしてたら襲ってくださいって誘ってるようなもンだろォが」
何度目だろう、少女の表情が時間が止まったように凍りつく。
たいして少年は自分の言葉にしまった、という表情で天井に目を逸らす。
そんな少年を見て少女は少しだけ表情を緩ませる。
「貴方もそう思うの?」
「あァ?」
「ちょっとした疑問よ。貴方も誘われてるって思うのか少し気になったのよ」
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