過去ログ - とある四人の恋愛模様
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16:Until reaching the starting line ◆oEZLeorcXc[saga sage]
2011/08/17(水) 16:29:57.06 ID:5Lu3WJlC0


少女の問いに少年は答えない。

天井を見上げたまま、後悔をするように、懺悔をするように目を閉じている。

そんな様子を楽しむかのように少女は言葉を続けた。

「貴方に褒められるだなんて思ってもみなかったわ」

「別に褒めてねェだろォが」

「見てくれがいいってのは見た目がいいって事でしょ? 褒め言葉じゃない」

少年の明らかな照れ隠し目的のぶっきらぼうな態度が面白いのか少女はニヤニヤとした笑いを浮かべている。

ふと思いついたようにスッと立ち、すぐにソファに深く座り直す。

左膝を立てて座る姿は扇情的で、短いスカートからは下着が見えてしまう。
ただし少年からでは死角になって見えない。


「こんな事をしたら欲情しちゃうのかしら? 我慢できずに襲っちゃう? 童貞のクセに?」


顔を膝に乗せたまま少しだけ首をかしげる。

雑誌のグラビアのようなわざとらしいポーズ。

加えて、パチンと金具を外すような小さな音が聞こえると、少女の胸に巻かれているピンク色の布が少しだけ緩み、膝で抑えていない体の側面が露出する。

「別に貴方ならいいわよ? 知らない仲じゃないし……おねーさんが筆下ろししてあげようかしら?」

獲物に向ける妖艶な笑顔というよりは年下の少年に向ける優しい微笑み。

からかうような軽い笑い。

少なくとも今までの少女と少年の関係ならば見せる事はなかった顔。


「なーんて冗談よ。そんなに睨まなくてもいいじゃない。あーヤダヤ」


「結標ェ」


少年は少女の挑発を遮り気怠そうにため息をついた。

ただその顔はどこか気負ったような張りつめたような、仕方なく何かを決心したような強さが垣間見られる。

「……何かしら」

少女は間違え探しのように、少しだけ変わった少年の様子に違和感を覚える。

先ほどまでの疲れたような呆れたような顔。


うっとおしいと睨む強い眼光は、その奥に愉しみを求める男を宿していた。








「教えてやるよ。オマエが力の弱い『女』って生き物だって事を」




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