42:Until reaching the starting line ◆oEZLeorcXc[saga sage]
2011/08/21(日) 17:35:37.04 ID:rY6iS8KI0
『グループ』が解散したあの日から一か月が過ぎた。
蕾だった桜も気付けば葉桜どころかもう散っており、日々上昇する気温は梅雨の気配さえ感じさせる。
結局、私は予定通り霧ヶ丘女学院の三年生として復学した。
かつて求めた『大きな計画』も『暗部』で過ごした日々もまるでなかったかのようにすんなりと。
今は小萌の家を出て一人暮らしをしている。
最低週に二回は小萌の家に行くという条件で。
実際の週二回なんて話ではなく、家事――正確に言えば炊事――がダメな私はほぼ毎日小萌の家にお邪魔していたりするのだけど。
身体検査をした結果、予想通り判定は超能力者<レベル5>――ではなかった。
正確には超能力者<レベル5>認定を受けるに値する成果だったが、今超能力者<レベル5>になってしまう事は、『あの戦い』で能力者が成長した事実を残してしまう。
故に統括理事長の一存で公表しない事になった。
でもそんな事はどうでもよくて。
どうでもいいもので。
全てが空虚なものに思えてしまう。
別に人生に悲観したわけでもないし、他人が有象無象に思えるほど高尚な人間でもない。
誰かを傷つけたり、誰かを助けられたり、失敗だってするただの人間だ。
楽しい事がないわけではないし、頭に来る事だってある。
全部が上手くいっている。
表面上は。
でも実際は。
何も上手くいっていない。
地面に足がついていないように
空回りを続けている。
歯車は噛みあわず、空転し続けている
そんな、感覚。
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