44:Until reaching the starting line ◆oEZLeorcXc[saga sage]
2011/08/21(日) 17:40:58.58 ID:rY6iS8KI0
結局、あの部屋で30分近く待たされた。
その上、書類を届けに来た人間は「そのまま帰っていいよ」の一言告げると戻っていった。
書類一枚を届ける手間を省くために私は待たされたらしい。
送迎のハイヤーは断った。
ハイヤーは実質密閉空間、つまりさっきまでの部屋と同じ。
これ以上一緒になんていたくなかったから。
なのに私は
夜道を二人で歩いていた。
「もう真っ暗じゃない!!」
何度目だろう。
内容のない誰に宛てたわけでもない罵倒。
「俺のせいじゃねェだろォが」
律儀に答えが返ってくる。
さっきからずっとこの調子だ。
窓のないビルから空間移動をして
送迎用に準備されていたハイヤーを断って
歩き出してからずっと。
コツコツと杖を突く音が私の後ろから聞こえている。
279Res/223.63 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。