65:Until reaching the starting line ◆oEZLeorcXc[saga sage]
2011/08/21(日) 18:17:42.26 ID:rY6iS8KI0
少年は酷く抽象的な質問に答えを失う。
「どォいう意味だよ」
少女の顔を見ると今まで見た事がないようなのっぺりとした無表情だった。
「私は、何? 貴方にとって、私は何?」
少年は圧倒される。
いや、動揺しているのかもしれない。
「あの子みたいに貴方との絆があるわけじゃない」
少女の言葉が理解できるのに頭に入って来ない。
それでも少女は言葉を続ける。
少年ただそれを聞く事しかできない。
「なら、私は」
そこで少女の言葉が止まる。
そこから先は少女にしか分からなくて。
そこから先は少女にも分からなかった。
「今日は、ごめん」
小さく短い声で呟くと、少女は部屋から姿を消した。
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