11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(岡山県)[sage saga]
2011/08/31(水) 23:30:54.77 ID:UM8DMbcio
真剣な表情の上条。
彼の右手がほんの少しだけ動く。
それはただ、親指がうごいただけ。
彼の親指が、半ば開いたまま震えていた美琴の唇に触れたのだ。
「…いいか?」
問う声は静か。
「……ぁ」
美琴は何も返せない。うなずくこともできない。
視線を返すのが精一杯だった。
不安と期待に潤んだ眼差しを、返すのが。
「……」
上条の顔が、すっ、と近づいた。
空気が動き、かすかに彼のにおいを感じる。
いま自分はどんな顔をしているのだろう。
思考停止の中、僅かだけ残った理性は嘘のように冷静にそんなことを思った。
その間にも、上条の顔は、唇は、近づいていた。
何か言わなければ。
せめて、たった一言、それよりも先に言いたい言葉が。
唇が重なるよりさきに、言ってほしい言葉がある。
しかしそんな想いが少女の吐息を言葉に変える前に。
「ぁ……」
ふわり、と羽毛が大地に落ちるがごとく。
やわらかく、自然に、瞼が、降りた。
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