過去ログ - 美琴「初めまして、御坂美琴です」一方通行「……あァ?」 〜2〜
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321: ◆TVdz386dzA[saga]
2011/10/16(日) 14:30:11.10 ID:ZsCQnVCC0


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窓の外は今年に入り何度目かの雪が降りそうな空気を漂わせる薄暗い雲が空を覆いつくしている。
外を歩けば耳が痛くなるほどの冷気が自らの身体を苦しめた。しかしそんな寒気もこの研究室の中では無意味であった。



「この間ママから電話があって元気にしてるかって心配してたわよ。私達のこと」

「私達って、俺もかよ」

「うん。ちゃんと食べてるかとか細いから心配だーとか今も白いかとか色々言ってた」

「オマエの母親は心配してンのか馬鹿にしてェのかどっちなンだよ!」


垣根帝督は自分の知らない話題を話す二人に軽い孤独を味わう。しかしそれを気にするほど自分は繊細ではない。


「本当に心配してるって。ママったら私のことよりも気にしてたくらいよ?」

「ンなワケあるか。どォせオマエがメソメソしてンじゃねェかって心配してンだよ」

「私がいつメソメソしたっていうの?」

「あァン?いつぞや寂しくてシクシク泣いてたのはドコのドイツだったかなァァ??」

「なっ、ちょッ……バカッ! それ言うのズルい!」



自分の隣にはテーブルに肘をついて掌に頬を預けている少年・一方通行がにやにやと笑っている。
彼は意地悪そうに、それでいて楽しそうに、狼狽えながら顔を上気させる少女を見つめていた。どうも彼女の反応を楽しんでいるらしい。
彼女の分かりやすく狼狽えたり恥じらう姿が妙に加虐心を突ついているであろうことは自分もよく知っている。



(確かにからかい甲斐のあるリアクションすんだよな)



心の内で一方通行に同調する。
そう思いながら垣根の前に存在するキューティクルのあるブラウンの小さな頭、その主である御坂美琴に目をとめる。
いつ見ても柔らかそうな髪。つい触りたくなってしまうがそれをやると何故か隣の男からベクトルキックを食らう羽目になるので止めておく。
そんな考えをよそにからかわれて頬を膨らませ怒る少女を見て口角をつり上げ笑う少年のやりとりが続いていた。




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