124: ◆goBPihY4/o[saga]
2011/08/23(火) 20:01:31.55 ID:W+KohuJio
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木原数多は爆笑していた。
「ぎゃはははははっ!! マジかよ本当に勝ちやがんの!」
一部始終を撮影していた部下からの報告を聞いて、彼は大笑いし始めた。
それからずっとその調子。
いつまでも笑い転げている上司にうんざりしているのを気取られないよう、『猟犬部隊』の隊員はこっそりと嘆息する。
「あ〜あ、面白かった。で、あのガキはそのまま入院だって?」
「はい。腕のいい医者がいまして、普通なら全治二ヶ月のところ一週間だそうです。……あの、木原さん」
「あーっ?」
「もしかして一方通行が勝つと分かっていたんですか?」
「いやぁ、全然。十中八九死ぬだろうと思ってたよ」
木原はまだ可笑しそうに口元に笑みを浮かべている。
「残り一、二割でうまい事逃げ延びられたらもう少し様子見てやろうと思ってたんだがよ、まさか勝っちまうとはねえ……」
「ま、あれじゃ大勝利とは言えねえけどな。痛み分けって感じか」
あっさり言ってのける木原に、隊員は質問を投げかける。
「殺す気だったんですか? 五年一緒だった子供を」
「ば〜か。五年も面倒見てやったのにちっとも成長しねえようなガキをいつまでも置いとけるか。
死ぬか強くなるかだろ。チャンスをやったんだよ」
「…………」
部下は、分からない、という顔をしていた。
木原としても彼に理解してもらいたいとは思っていない。
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