456: ◆goBPihY4/o[saga]
2011/09/14(水) 00:23:01.06 ID:8cvtlr/Jo
必死だったのに。
どんなに差があろうと、第一位という高い壁に立ち向かって行こうと、決死の思いで挑んだのに。
何もかも覚悟して、大事な人とも二度と会えないかもしれないとこっそり泣いて、
それでも妹を守り抜こうと誓って、決めて、本当に、死ぬほどの覚悟をしてその夜に臨んだのに。
そして、思った以上に強すぎた第一位を、自らの命と引き換えに止めようと決意したその瞬間。
どこからともなく現れた、言ってみればポッと出のレベル3に、横からすべて掻っ攫われてしまった。
美琴が命を投げ出しても、第一位は止まらなかったかもしれない。
結局他の誰かの手が必要だったのかもしれない。
でもその意志は本物だった。
本気だったし、必死だった。
それなのに、美琴が死ぬほどの思いをしてまで成し遂げたかった事をいとも簡単にやってのけた男は、
面倒臭いだとかだるいだとかいう態度でいる。
もののついでで、ただのバイトで、片づけてしまったという。
だったらあの思いは一体何だったのだろう。
「私は……せめて、何があったか知りたくて……」
消え入りそうな声を出す美琴に、得体の知れない白い高校生は、心底面倒そうな調子で言った。
「だったらさっき言った通り、適当だよ。てきとォ」
本当に何だったのだろう。
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