704: ◆goBPihY4/o[saga]
2011/09/27(火) 01:47:01.31 ID:s6seuxzCo
トラウマ、罪悪感、絶対に失いたくない心の支え等々。
木原は人の心の一番弱い所を突いて隙を作る戦法を得意としている。
また、戦法とは別にして、そういうのを趣味としている。
彼は今、ある目的のために時間稼ぎをしようとしていた。
(そもそもよ、どいつもこいつも高位能力者を見るとそれだけでビビりやがるからダメなんだよなぁ)
(こいつらだって薄皮三枚くらい剥いでやりゃー、ただの小便臭ぇガキだって事に何で気付かないかねえ)
垣根帝督の実力は本物だが、「相手が第一位だ」と認識した時点で戦意喪失した敵が少なからずいた事も確かである。
対して木原は超能力開発のエキスパートなので、能力者の扱い方を良く分かっている。
落ち着いて対処すれば、できない事はないはずだ。
頭の中であらかたの方針を決め、木原は彼の言葉の先を待つ垣根を見た。
親指で最終信号の方を指し示す。
「あの最終信号ってガキには、もともと学習装置で特殊なプログラムが埋め込まれてる。
自己防衛のための本能に近いものだ」
「危険を察知するとマニュアルに従って逃げるってやつか? そいつに限らず妹達は全員叩き込まれてるはずだ」
「それも当然あるんだが、もっとえげつねえのがあったんだよ。
他人の庇護欲を刺激する仕草、言動を無意識的に選び取って実行するってやつだ」
「庇護欲……」
じっと聞き入る垣根の姿を見て、木原は吹き出しそうになった。
(そんな気真面目に聞き返してねえで、とっとと掛かってくりゃお前の勝ちなんだぞ? バカな奴)
だが、表面上はあくまで「余裕を持った」、「勝ち目の見えたような」、「嘲笑」でなければならない。
気付かれないようにこちらの優位性を刷りこむ。
相手が手を出して来ない今の内に立場を確立させるのだ。
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