744: ◆goBPihY4/o[saga]
2011/10/01(土) 22:41:21.67 ID:dMPKH2EJo
何度もぶっ飛ばされる内に、時間のせいかどこかスイッチが切り替わったのか、逆に冷静になってきた。
垣根は殴られる衝撃に耐えながら、脳をフル回転させていた。
彼にはもう、学園都市第一位の頭脳しか残されていないのだ。
肉弾戦で木原に勝つ事は考えなかった。
だが、生身で最強の座にいた彼には、武器や凶器の類の持ち合わせがない。
未元物質なしでは木原には勝てない。
AIMジャマー。
ただの、小さな、踏みつければ壊れるようなオモチャだ。
あれをどうにかできれば。
汚い靴底で踏みつけられる屈辱に、込み上げてくる感情を無理やり押さえつける。
そして、能力開発も受けていない無能力者に未元物質をかわされた瞬間を、あえて思い出す。
最初に演算を狂わされた時だった。
未元物質の刃を生み出した時には、何も起きなかった。
彼が木原に攻撃しようとした際に、軌道を少し横へとずらされた。
当てようとした攻撃が当たらないのは驚異だが、考えてみれば起こった現象はそれだけである。
未元物質を精製した瞬間に、ミクロサイズに散らばって誰かの体内に侵入
などといったとんでもない事態は起こらない。
あのAIMジャマーには未元物質のデータが足りていないのだろう。
動きの軌道を逸らさせるくらいが関の山で、「動かす事そのもの」「生み出す事」など高位の行動には干渉できない。
まだ完全に狂わせるには至らない。
垣根が能力を行使すればするほどデータを集められてしまうだろうが、解析が完了するまでなら使用は可能だ。
最終信号や、彼女を助けようとする修道女を傷つける心配のない行動なら、時間制限付きで行えるのだ。
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