82: ◆goBPihY4/o[saga ]
2011/08/22(月) 19:33:18.12 ID:g2nhK56+0
「やめてッ――!!」
美琴が叫んだ。
何かしらの手を使って彼を助けようとしたようだが、未元物質を止めるには至らなかった。
自らをただのバイトと称した男は、何をするでも無くその場に突っ立っている。
こんな真正面からの単純な攻撃にも対処できない程の素人なのだろうと垣根は思った。
だが次の瞬間、彼は自分の体を翼で守っていた。
バイトの方へ向けて撃った羽根が、真っすぐ自分の方へ返って来たからだ。
彼は未元物質を自在に操るが、彼自身も未元物質に貫かれれば死んでしまう。
咄嗟に自分の前に翼の壁を作ると、そこへドドドッ! と無数の羽根が突き刺さった。
彼本体に傷は無いものの、精神的には多少なりとも衝撃を受けていた。
未元物質が跳ね返される等という事は今まで一度も無かったのだから。
翼を広げ、バイトの方を見る。
少年は、相変わらずそこに立っていた。
その白い肌には傷ひとつ無い。
「おいおい、そこは死んでおかなきゃいけねえ所だろう」
「空気が読めなくてすンませンねェ、第一位サン」
「フン……」
薄笑いを浮かべてはいたが、垣根の脳内は十数メートル先に立つ人物の正体を探ろうと目まぐるしく動いていた。
そして、ある事件を思い出す。
「……お前、もしかして五年前に警備隊を壊滅させた反射能力者か」
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