85: ◆goBPihY4/o[saga ]
2011/08/22(月) 19:37:08.84 ID:g2nhK56+0
そんな彼の心情など知る由もなく、垣根はただ興味深そうに一方通行を眺めていた。
「……ハッ! おもしれえ。この第一位の『未元物質』どこまで反射し切れるか試してみるか」
「お断りしますゥ。実験はどォしたンだよ」
面倒事に巻き込まれるのは御免である。
第一位の申し出を、一方通行は必死で辞退する。
しかし、
「そうだな……無駄な戦闘をすると肝心の実験の方に支障を来すって話だが……」
垣根は再び、翼を広げる。
「ちょとレベル3の雑魚を殺すくらいなら、準備運動にもならねえよ」
一瞬で演算を終えた垣根が設定した数は、先程の十倍だ。
数え切れないほどの羽根の大群が、超電磁砲を越える速度で一方通行へ襲いかかった。
轟音が美琴のすぐ脇を通り過ぎる。
よろけた彼女が振り返ったその時、まったく同じ攻撃が、真逆の方向へ放たれていた。
反射。
来たものをそのまま同じ方向へ。
学園都市第一位の放ったものであろうと、この世に存在しない物質であろうと、数が十倍に増えようと、その反射能力者は跳ね返して見せた。
事もなげに。
第一位は、またしても自分で放った攻撃を自分で防ぐ羽目になる。
美琴は呆然とその様子を見守っていた。
恐らく翼に隠された第一位の顔も驚愕に染まっているだろうと思いながら。
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