86: ◆goBPihY4/o[saga ]
2011/08/22(月) 19:39:37.61 ID:g2nhK56+0
「……くっだらねェ」
ぽつり、と呟く声が聞こえた。
「あーあァ。終わるまで待っててやるつもりだったがよォ。話が逸れて全然進んでねェじゃねェか。
さっさと死体処分して帰ってゲームしよォと思ってたのによォ」
言いながら、倒れているクローンのもとへ歩いていく白い少年。
「っつかコイツほとンど死ンでるし、イイんじゃねェの? 俺が処分しとくわ。後は勝手にやってろ」
その細腕のどこにそんな力があるのかと思うほど軽々と瀕死の少女を抱え上げ、少年は操車場の出口へと歩き出した。
「ちょっと! その子をどこへ連れて行く気!?」
美琴は妹を守るためここまでやって来た。
それを目の前で掻っ攫っていく少年を見逃すわけにはいかない。
慌てて前へ立ちふさがると、彼は面倒そうに肩をすくめて彼女を避けて進み、すれ違いざまに小声で言った。
「……びょォいン」
「び……え?」
口調が砕け過ぎていて一瞬分からなかった。
そう、彼は「病院」と言ったのだ。
「どう、して……」
そして、何者なのか。あの白いのは。
後を追えなかった。
美琴はその得体の知れない白い生き物の後姿を、黙って見送る事しかできなかった。
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