885: ◆goBPihY4/o[saga sage]
2011/10/15(土) 20:02:03.93 ID:icgzUffao
かといってヴェーラを説得する気もなかった。
本来の意味で『魔術』が存在するであろうという事は、木原が理解していれば充分だ。
「ローマ正教とケンカね。統括理事会は何考えてんだか」
「何やら不穏な空気ですが、まあ今すぐ戦争が起こるという程の事でもないでしょう」
「さあな。起こる時は起こるだろ。報告は終わりか?」
「いえ、まだいくつか」
またチューブが揺れ始める。
ヴェーラはそれを見ながら、特に感想は言わない。
「十月三日、理事会が外にかまけている隙を利用して、スキルアウトの一グループが割と派手に暴れました」
「グレたレべル0のガキ共か。イキった所で大したこたねーだろと思ってたんだがな」
「中心人物がかなり頭の切れる部類で、ついでに人望もあったものですから、半端に目立ってしまったんですね」
この街には『スキルアウト』と呼ばれる人種が存在する。
簡単に言えば不良の集まりだが、グレた原因が学園都市ならではで、
レベル0を恥とする風習と、そのレベル0に自分が当てはまってしまう事、そしてそれを隠すのが難しい事から、
周囲の視線に耐えられず反発してしまうのだ。
ただ暴れ回る者、集団を作って迷惑行為を行う者、黙って学校を休むものなど、反抗の現れ方はそれぞれだが、
レベル0であり、きちんと学校生活を送っていない生徒は、一様に『スキルアウト』と呼ばれている。
今回問題になったのは、その数多くいるスキルアウトの中の一団であった。
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