888:第F話―――香焼「自分は案外……幸せっすよ」[saga]
2011/10/08(土) 21:47:53.84 ID:sYR9j9tK0
いくらか和んだ所で、土御門は御土産の品を取り出し、勝手に冷蔵庫へしまった。
その後、少々言い淀んでから……はっきり告げる。
土御門「悪いが、謝れないぜ」コクッ
香焼「はい……分かってるっす」
土御門「そうか。何か言いたい事、聞きたい事は?」
香焼「何も」フルフル・・・
別に彼を苦しめるつもりはない。
土御門「……思ってたより大人だな。ステイルとかの話じゃガキだとばかり思ってた」
香焼「弁えてますよ。『鉄砲玉』って扱いでも仕方が無い」
土御門「ははは……必要悪の教会(ウチ)が日本極道(ヤクザ)なら昇進モンだったがな、生憎そうはいかん」クスクス・・・
香焼「そんな高望してないっす」
土御門「ああ。悪いな……安心しろ。今日は撃たない」
その心配はしてない。
土御門「だが今回の件、多少なりとも『身から出た錆』だと意識してるか?」ジー・・・
香焼「ええ。『多少』は」
土御門「納得いってるんだな?」
組織としても納得出来るし。個人としても満足している。これ以上望んだら罰当たりだ。
土御門「個人、か……前に『結標との件(※第4話)』で、忠告したよな」
香焼「『いつか命取りになるぞ』……でしたか」
土御門「ああ。もう一度言おう。恨んでくれて構わないぞ……次は死ぬ」ジー・・・
香焼「……覚悟します」
土御門「馬鹿野郎。甘ぇんだ。私情は捨てろ」フンッ
香焼「私情を捨てたら、教義が廃ります」
土御門「……ったく」ポリポリ・・・
自分は女教皇様の様に力がある訳じゃない。上条さんの様に勇気がある訳ではない。
でも……信念は曲げたくない。こればかりは、譲れないのだ。
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