過去ログ - 【空中要塞】エースコンバットのSSを書くスレ【トンネル】
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294:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/09/26(月) 21:56:27.60 ID:0L7jyUwKo

空を見上げる。



また1機落ちる。しばらくするともう1機も落とされた。
その後にはもう戦場音楽は消えていた。鐘の音だけが響いている。
私はその鐘を見ようと体を起こす。
身を起こして、自分の近くを何かが通り過ぎたことに気づいた。その直後に轟音が私の耳の機能を奪う。
だが私の首はその音の主を捉えるため動いていた。



視線の先に見えたのは、高度を上げていく青と赤のF-15の姿だった。




そこまで思い出し、私は鐘を鳴らすのを止める。
今、この鐘楼の管理を私はしている。鐘を鳴らすのも私の日課だ。
近くで聞くと騒音なこの鐘が距離を開けるほど美しくなる。
世の中にはそういうものもあるのだ。

それは謎のまま歴史の闇へと消えていったガルム隊……ガルム01もそうなのだろう。
触れないまま、分からない方が良いこともあるのだ。


私は、そう思う。










甲高い音、顔を上げる。
首都防空隊である2機の戦闘機が飛んでいた。
首に提げた双眼鏡で覗き込む。機種はF-15、ガルム隊と同じだ。
夕焼けと夜の闇が混じりつつある空を飛ぶ2機を暫く見つめる。懐かしかった。
思わず頬を緩めて双眼鏡をまた覗き……顔が固まった。



その2機の機体が彼らに見えたのだ。
青と赤の翼を持ったガルム隊の姿に。



即座に双眼鏡から目を外し、そしてもう一度だけ双眼鏡を覗き込む。
2機ともウスティオ空軍カラーに塗られたF-15だ。見間違えはなかった。
恐らく夕闇の加減でそう見えたのだろう。


だが、私は彼らがこの空に今も居る気がしている。
それは肉体や機体としてでない。
あの時、ディレクタス開放の時に彼らに憧れた者たちが今のウスティオの空を支えているからだ。
それが続く限り、この国は平穏だろう。

今、ISAFとエルジアの戦争が起こっている。
国際緊張が高まっていく中、世論調査で私がインタビューを受けたとしよう。
私はこう答える。
きっと、自信に満ちた声で。








「この国は平気さ。なにせ、地獄の番犬が守っているからね」





初めて書いたったー。


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