46:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage]
2011/08/28(日) 03:49:29.34 ID:7L728IKno
「唯ちゃん」
さわちゃんは諭すように私の指を離そうとした。
聞き分けのない子供のように、私もそれに力で対抗する。
「じゃあ、どうすればいいの?!」
「唯ちゃん……」
「どうすれば一緒にいられるの?!ねえ!」
私は掴んでいた腕を離し、さわちゃんに掴みかかった。
「さわちゃん……、その人のこと好きなの……?」
「違う……」
「私だけ……、私だけさわちゃんのことが好きだったの……?」
私は泣きながらずるずるとその場に倒れ込んだ。
「違うわ」
さわちゃんの声がいつもより強くなって、それからきつく抱き締められた。
「私は今でも唯ちゃんが好き」
初めてだった。
「私だって……、別れたくなんかないわよ……」
さわちゃんが泣いているのを見たのは。
唇を重ねられて、私はその言葉を信じた。
今までずっとキスをするときは全部私からだったから。
最後の最後までさわちゃんは私よりもずっと大人だった。
「さわちゃん……」
さわちゃんは唇を離すと名残惜しそうに私の唇を親指で拭った。
涙に濡れた瞳が綺麗で、ぼうっと見つめているとさわちゃんは寂しそうに微笑んだ。
「だけど、約束は約束」
85Res/80.20 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。