309:1[saga]
2011/11/20(日) 11:04:05.75 ID:uM86iaGn0
「だから、まどかを許してやってくれってこと?」
ほむらが口を開いた。
ようやく会話になりそうで、さやかは少しほっとする。
「さやか、貴女はいくつか勘違いしている。
まず、許すも何も、私はまどかのことを怒ってなどいないわ」
「でもアンタは、まどかのしたことは『悪い事』だと思ってるんでしょ?」
「ええそうよ。当然でしょ。
私にとって約束とは、命を賭してでも絶対に守らなければいけないものなの。それを反故にされたのよ。
でも、それ以上に許せないのは、私自身に対してよ。
私がもっとしっかりしていれば、まどかが契約する理由はなかった。
契約してしまったということは、結局、私はまどかの信頼を得るに至らなかったわけだもの」
「ちょっ、そんなこと-----」
「そして貴女はさっき『良い事』、『悪い事』と言ったけど、正直に言ってしまえば、そんなことはどうでもいいの」
「どうでもいいって……」
「ん、ちょっと言葉が足りなかったわね。
それを議論しても、答えは出ないという意味よ。
何が良い事で、何が悪い事か。
そんなものは結局、当人の感性の問題なの。
例えば私の、命を懸けてでも約束を守る、という考えは貴女には理解しがたいでしょう?」
「…………」
「まどかは、私との約束を破ってでも街を守ること、これを『良い事』と判断し、そして私は『悪い事』と判断した。
それだけのことよ。
さやか、貴女はどっち?」
「…………」
ほむらの問いに、さやかは答えられなかった。
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