338:1[saga]
2011/11/27(日) 10:59:01.47 ID:RaOEvMPQ0
ほむらは優しく微笑む。
「----まどかはとても幸せそうだったわ。
誰かのために戦えること、それが本当にうれしいのでしょうね。
もう私がいなくても大丈夫。
既に魔法少女として一人前になったのよ。
私が庇護する必要は、もう無いわ。
そういう意味では、もしかしたらこれまでの繰り返しの中で、一番安心して時間を巻き戻せるんじゃないかしら。
……でも、----」
表情は笑顔のまま、目から涙が零れる。
「----できれば魔法少女になんかならず人間のままで、幸せを掴んで欲しかった……
こんなものにならなくても、まどかは優しくて素晴しい人間だったのに……。
……次よ。『次』こそは、まどかとの約束を果たしてみせる。
契約なんて絶対にさせないわ!」
「……そうかい。止めるだけ無駄みてえだな。
『次』こそは約束果たせるといいな。
過去の私に会ったらよろしく」
「ええ」
ほむらは袖で涙を拭い、そしてベンチから立ち上がった。
「じゃあね杏子。一ヶ月前にまた会いましょ」
「おう。じゃあな」
ほむらが歩き出すと、杏子も立ち上がって別方向へと歩き出す。
ふと、数歩歩いたところで杏子の足が止まる。
「おっ! そうだ! おいほむら! 腹が減っては、って言うだろ?
つっても今の手持ち、菓子しかねぇんだけどな。
これでもよけりゃあ----」
杏子は菓子箱を手に振り返る。
「----食うかい?」
だが、そこにほむらの姿は無かった。
601Res/385.53 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。