473:1[saga]
2012/01/29(日) 11:53:22.37 ID:6kqct4zw0
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まどかは夢を見ていた。
それは、まるで童話の世界に迷い込んだかのような内容の夢でだった。
その夢の中では、何故かまどかは屋敷の末子で、灰を被り、使用人のごとく働いていた----のではなく、姿見の前で舞踏会へ着ていく為のドレスを選んでいた。
やがてドレスが決まると、身支度を整え、カボチャの馬車に乗って舞踏会へ行く。
そして、その容姿と装飾品と華麗な踊りにより、周りの注目を一身に集めた。
だが、肝心の王子様が----ほむらが、まどかを見ていなかった。
まどかはほむらに向かって言う。
----どう? 私、変われたかな? 灰を被ってた頃とは違ってキレイ?
すると、ほむらはまどかを一瞥し、
----ええ、そうね。キレイだわ。
とだけ言うと踵を返して歩き出した。
まどかは、ほむらの予想外の反応に驚き、慌てて追いかける。
----私を見てよ。こんなに立派で華麗でキレイになったんだよ。
まどかはそうせがんだ。
ほむらは、いつの間にか手に持っていたガラスの靴を見せながら言う。
----ごめんなさいね。私はそろそろ、もう一度このガラスの靴の持ち主を探しに行かなくちゃならないの。
ほむらは笑顔をまどかに向ける。そして、
----舞踏会はまだまだ続くから楽しんでいってね。
と言い残し、会場を後にした。
まどかは音楽が垂れ流されている誰一人居ない会場に、一人だけぽつんと取り残された。
だが諦めきれず、悪足掻きと分かっていてもなお、大声で叫ぶ。
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