509:1[saga]
2012/01/29(日) 12:29:18.63 ID:6kqct4zw0
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もう、どれだけ歩いたのだろう。
暗くて何も見えない道を、未だまどかは歩き続けていた。
時間の感覚は既に無く、体の感覚も無い。
今どこを歩いているのか、場所も分からず、方向も分からない。
自分の意識があるのかすら分からない。
それでもまどかはほむらに会いたい一心で進み続ける。
ふと、暗い闇に間を置いて数回、一瞬だけ光が差した。
朦朧とした意識の中、時折閃光のように見える風景で、まどかは自分が見滝原に戻ってきていることに気がついた。
自分の家。
学校。
教室。
保健室。
先生。
さやか。
仁美。
クラスメイト。
公園。
そして、病院。
その病院を見たまどかは、はっ、とした。
この病院は確か、ほむらちゃんが入院していた病院だ。
そうだ、間違いない。以前ほむらちゃんに聞いた病院と同じ名称だ。
病室だ。ほむらちゃんの病室があるはず。探すんだ。
ふらふらと病院内を歩き、以前教えてもらったほむらの病室の前へと向かう。
病室の前にたどり着き、表札を見ると、そこには『暁美ほむら』とあった。
間違いない。ここは、ほむらちゃんの病室だ。
まどかは恐る恐る病室のドアを開ける。
部屋の中のベットには、ほむらが眠っていた。
見つけた。
やっと見つけた。
ようやく見つけられた。
まどかは居ても立っても居られなくなり、もう二度と失くさないように、ほむらにしっかりと抱きついた。
ほむらの温もりがまどかに伝わってくると、うれしくなって、目から涙がこぼれた。
そして、一言----どうしてもほむらに言いたかった一言を口にする。
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