85:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/01(木) 21:45:56.24 ID:E3cKPUJ9o
眠ってはいけない、と彼は思う。でも眠っている生徒もいた。なぜ彼は眠っていて、俺は起きているのだろう?
自分の頭に浮かんだ疑問に彼は答えることができない。
それはつまりスタイルの問題なのだ。
彼は眠っていてもいいスタイルの人間で、自分は眠ってはいけないスタイルの人間なのだ。
方針、とでも言うべきだろうか。その方針の剥離が、ときどき人と人とを決定的に分ける。
こういうとき、眠れるほうがいいのだろうか。退屈だし、教科書を開けば書いてあることを再確認しているだけだ。
起きていなくても分かっているような内容だ。にもかかわらず、自分は授業を聞いて理解しようと努めている。
もう分かっていることを再確認している。なぜだろう?
なぜ自分はこんなにも必死になっているのか、それが彼にはわからなかった。
授業のあと、帰りのバスの時間を待つ。
頭がぼんやりとする。疲れているのだ。久しぶりに毎日のように予定が入って、ちょっと嫌になっているだけなのだろう。
彼は自分を納得させて窓を見た。
もう夜に近い時間だ。窓は鏡のようになって彼の表情を映していた。見飽きた顔。彼はなんだかいやになって溜め息をついた。
いつまでこんなことを続けるのだろう。
自分は大丈夫だろうか。このまま社会に適応していくことができるだろうか。
やるしかない。そう感じながらも、彼の心から暗い霧が晴れることはなかった。
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
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