697:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/11/13(火) 18:14:09.32 ID:tT6S3cEI0
黒衣「“ジェム”」
ナイフは意外にも、青年に向かって直線ではなく、かなり上の方向へと投げられた。
そのままの勢いが保持されれば青年の2人分の真上を通過するだろう。
投擲を誤ったわけではない。全ては計算の上。
青色のナイフが粉みじんに割れ、無数の煌めきが宙に散らばる。
その破片達が反射する太陽の光は七色に砕かれ、見る者を一瞬だけ魅了する。
青年「……危ないな」
上向きで無感動な小声は、相手にまで届かない。
黒衣「……“ドロップ”!」
ナイフの破片が更に炸裂する。
水晶の砂が光を浴びて光となり、それらの大半は奇妙にも青年の立つ場所に向かって降り注ぐ。
青年「……来ると思った」
迫り来る光の粒は、現代に蘇った散弾銃。
一粒一粒の威力は弱くとも、多数を受ければ重傷は免れないだろう。
宝石の粒が着弾する。
青年だけでなく、周囲の地面にも無数に命中し、一帯からは砂埃が舞った。
暗殺者「……」
煙の晴れた光景に、目にかかる黒髪を僅かに掻き分けてしまう。
青年「ただ石を飛ばすだけか?」
そこには剣を片手に、悠然と同じ位置から動かない青年がいた。
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