71:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/09/15(木) 20:14:56.24 ID:IIxpxRPH0
時計の針が約束の時間を指した。
同時に少女は立ち上がり、尻を払う。
少女「…じゃあ、出発の時間だから」
紅髪「ええ、がんばってね」
少女「…」
ギルドの入り口が少女を歓迎するように陽光を差している。
眩しい昼の明りを見るに、外は朗らかな陽気に包まれているらしい。
少女「…本当に」
紅髪「…?」
少女「何もない?」
紅髪「…」
女性は含み笑いだけで留めた。
必ずしも、後ろ暗い気持ちが全てであるわけではない。
ただ彼女自身にも、託した任務がどういった意味を持つのかは、いざその場に飛びこんでみなければわからないものなのである。
だから何も言う事はできなかった。
少女「…そう」
ところが。
少女「…いいわ、別に」
沈黙は時に、何よりも明確な答えとして働くことがある。
少女「その方が、暇をしなくて良さそうだもの」
答えを聞いて、少女は微笑んだ。女性に向けた微かな笑み。だが彼女が初めて見せる笑みだ。
紅髪「…!…ふふ」
もはやかける言葉は無い。一度動き出した彼女は止まることはないし、止める必要もない。
紅髪(…期待してる、本当よ?)
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