過去ログ - ミカサ「いやぁ、エレン……っ、殺してやる、殺してやるわ!」
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2: ◆tt4XjKq/KE[sage]
2011/08/29(月) 19:40:01.99 ID:5hHITQE30
闇夜にきらりと煌めく白刃の鈍重な手触りはあぎと血に染めし豺狼の慣れ親しんだ爪牙のように軽ろやかに巨人に非ず、人間の命と未来を今こそ断ち切る復讐のその刃と化すと知れ。

篝火に照らされたミカサ・アッカーマンの蒼白な顔はその刃のように美しかった。

波紋のないみなものようにつねに平静な内面では憎悪の炎が狂い猛っている。


リヴァイ。


エレンに許されない暴力を加えた男。それだけではない、エレンの生命を犠牲にして自分の栄達を図ろうというのだ。

今夜ウォール・ローゼのこの通りをリヴァイが部下も連れず通るのは知っている。

今ここでしかるべき報いを下す。

「知っているか、リヴァイ兵長はな、巨人化したエレンを自分の捨て駒にして、次の作戦で死地に追い込むつもりだ」

「リヴァイはエレンを捨て駒に、手柄をひっさげ自分が中央で成り上がりたいのさ」

「今夜、この通りをリヴァイの奴が、地下街の変態さんたちつれて、エレンを慰みものにするために通る。そのときを殺れ!」

いた。
フロックコートを着込んだ、身なりのいいメタボ中年数人を引き連れた、リヴァイを確認する。
ミカサの視力は並外れている。遠目に確認すると、遠目に取ったその距離が縮地したかと見まがうばかりに迅雷、突っ込んでいった。
手には今射出した立体起動装置の綱と対巨人用の刃。

一気にリヴァイの首を取る。

だが、リヴァイは咄嗟に反応した。
中年の男を突き飛ばし、身をかわしつつ、ミカサの刃を払う。
ミカサは綱を切って着地した。
初めて目と目が会う。
隙のない、そして鋭い眼光に、なぜか憐憫するような光があった。

「う、うわあ、何だこの女!!」

「軍の制服を着込んでるぞ、駐屯兵か!?」

周りの中年が騒ぐ。地下街の変態か。こいつらにも後でそれなりの報いをあげよう。
ミカサは獲物を見て小さく牙をむくよう笑った。獲物の死を確信したのである。

「お前は、兵法会議で俺を睨んできやがったガキだったな……」

ゆらり、とリヴァイが中年をかばうよう立ちはだかった。

「何のつもりだ、小娘」

リヴァイが静かに、だが厳かに言う。
身のこなしから並みの使い手でないことは一目で分かる。
で、だからどうした?
自分は、強い。
訓練時代も、初の実戦でも、人間であろうと巨人であろうと、刃を手にした自分の前に立ちはだかって肉を殺げなかったものはいない。
この男もすぐに肉を殺いでやる。
あのときエレンが味わった苦痛の百倍の地獄を味わわせて、嬲り殺してやる。
邪魔するなら周りの[ピザ]どももだ。

「口でやめろと言っても大人しくなりそうにねえな」

リヴァイはミカサの形相を見て、刃を構える。と、やおら間合いを詰めた。
風が動いた。


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