過去ログ - ミカサ「いやぁ、エレン……っ、殺してやる、殺してやるわ!」
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7: ◆tt4XjKq/KE[sage]
2011/08/29(月) 19:52:52.82 ID:5hHITQE30
「適当に俺に合わせろ」

反応がないミカサを殴った。

「忘れるなよ、この兵団の生殺与奪の権は俺が握っている」

替えたばかりの血で汚れた手袋を取り替えながら言う。
暗にエレンを指しているのである。ミカサの顔色が初めて変じた。

馬車から出てきた。すぐ隣にミカサがいる。
喧騒が止んだ。リヴァイは宣言した。

「この女は、今日から俺の身の回りの世話をまかせる個人的副官だ。異存はないな?」

さっと野次馬の顔が歪む。言葉の意味を一瞬で裏まで取ったのだ。
野次馬の中にはミカサと同期で調査兵団に入団した訓練生たちの姿があった。

「ウソだろ、あのミカサが……」

ライナー。

ジャンはぶるぶる震えて何も言わない。

「あれかな、食べ物につられたとか」

「バカ野郎、てめえじゃねえんだ!!」

「ひっ!!」

「やめなよ!」

サシャに掴みかかるジャンをクリスタが止める。

「何かあるんだよ、こんなはずないよ、ミカサがエレンを……見捨てるなんて」

「け、金と力に決まってんだろ。あいつも思ったよりやるぜ」

ソバカスの少女が相変わらずの減らず口を叩く。


「ミカサ……」

ミカサの血の気がさっと引いた。エレンだった。

「何だエレン、てめえ何か俺に意見でもするつもりか?」

「あ、いえ、そんな……」

エレンはぶるぶる震えていた。別にリヴァイが恐ろしいからではない。自分でもよくわからない理由でだった。

「ミカサ、その怪我、大丈夫か……?」

「…………」

「でもミカサ……よかったよな、兵長の副官なんて。出世できるし、近くで守ってもらえるし、俺も安心だよ……はは」

「ありがと……」

泣きそうな顔でエレンがそれだけいうと、ミカサはリヴァイに腕を取られて連れられて行った。
ミカサが去った途端、ジャンがエレンを殴り飛ばした。

「この屑野郎!!てめえは、ミカサに何言いやがった、ミカサに……っ!」

馬乗りになってエレンを殴り続ける。だが、エレンは抵抗もせず茫然と拳骨を受けていた。
自分でもよく分からないのだった。
ミカサは家族のような存在だと思っていた。
うるさい世話焼きな姉だくらいに思っていた。
だから、今の感情も恋ゆえだとは思っていない。
姉を突然別の男に犯された弟のように今は自分の心の痛みをそう考えている。
ただ自分でどこかもやもやした部分があって、それで茫然とジャンに殴られ続けていた。

「ほら、拭け」

エレンが見えなくなって、リヴァイはハンカチを差し出した。
ミカサは嗚咽するばかりで動かない。

「兵長がああいってらっしゃるのよ。あなた言う通りにしなさいよ」

ぺトラがいら立って促した。ミカサを見る目には明らかに敵意が籠っている。

「よせぺトラ。今はそいつを部屋に連れて行って休ませてやれ」


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