199:1 ◆H0UG3c6kjA[saga]
2012/01/03(火) 00:07:41.86 ID:Tj4M2rQZ0
爽やかな朝の空気の中、一人の少年が学校へ向かって歩く。
愛しの恋人の姿を頭に思い浮かべながら。
自分の起こした惨劇を一笑に附して、ずっと一緒に居てくれればそれで良いと優しく微笑んだ彼女の顔を。
自分が奪った、美しい彼女の両脚を。
それでも、数ヶ月前の心情に比べれば少年は落ち込んでいなかった(あるいは、狂っている)。
今日もすぐさま帰ろう、そして彼女の介護をしよう。
自分だけの彼女。
自分だけの恋人。
愛する人。
大好きな人。
思わず口元が弛んでしまいそうになるのを懸命に堪えながら、少年は学校へ入る。
教室へ入ると、いつも三人でつるんでいる内の黒髪の友人が珍しく席に座っていた。早い登校だ。
上条「よう」
青ピ「おはようさん、カミやん」
上条「何か表情明るいな」
青ピ「彼女が出来たというか、おるからね。リア充オーラが出とるのかもわからん」
上条「え、マジかよ!どんな子なんだ?」
よくぞ聞いてくれた、とばかりに青髪の少年―――青髪ピアスが笑う。
思考の半分は会話に割きながら、もう半分は彼女の姿を思い浮かべながら。
惚気そうになるのを我慢しつつのんびりと会話する。
やがて黒髪の少年―――青髪ピアスの友人である上条当麻は口を開き、疑問をそのまま問いかけた。
すぅ、と涼しい空気を吸い込んで、スピーチでもするかのように青髪ピアスが微笑んで上条を見つめる。
その姿は末期の病に羅った恋人を持つ男性のようにも、どこかに大事なものを忘れてきた狂人のようにも見えた。
青ピ「僕の彼女は未元物質。学園都市第二位の、可愛らしい美人」
青ピ「ボクだけの恋人」
青ピ「誰にも渡したくない」
青ピ「カミやんには会わせられへんなぁ」
上条「そう、なのか」
青ピ「とっても素敵な女性なんやで?」
青ピ「ボ ク を 恋 に 狂 わ せ た ひ と」
僕の彼女は未元物質 おわり
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