163:一年中が田上の季節[sage saga]
2011/11/05(土) 10:24:15.86 ID:0NUq2lV70
梓「伝え…なきゃ…です……」
紬に更なる衝撃を与えられるも、それでも梓は正に命を賭して、仲間達の元に向かって這いずっていく。
そして、暫く這いずった後、彼女は再び大量の吐血をする。全身を襲った正に粉砕されたかの様な強烈な痛みは感覚すら失われたのか、もう殆んど痛みを感じず、大量の出血による失血で意識も更に朦朧としていく。
梓<もう駄目なのかな……>
今にも途切れそうな、命(いしき)の中で、彼女は無念そうに呟いた。だが、その瞬間(とき)彼女の耳に、唯達の声が聴こえた様な気がした。最初、<幻聴なのかな>と、思ったが、再度、自身を呼ぶ声が聴こえて、しかもその声は次第に大きなものになっていく。そして彼女の翳(かす)み逝く視界の中で、それでも梓が最期にどうしても逢いたかった、伝えたい事があった人達の姿が、はっきりと映った。
その瞬間、梓の目から、一筋の泪が流れた……。
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