86:一年中が田上の季節[sage saga]
2011/10/03(月) 10:59:16.77 ID:Ay6ywUVh0
「ねえ、律っちゃん。私、どうすればよかったのかな。解らない、解らないんだよ。でも、ごめんね律っちゃん。私にはどうする事も出来なかった。こんな事しか出来なかった。ほんとにごめんね律っちゃん…………これで良かったの?お母さん。お母さんはこの話を私と憂に聞かせた時に、覚悟しなさいって言った。でも、覚悟してても辛いよ。こんなにも苦しいよ……」
唯が泣きながら泣き事を言い始めた時、突然に律の亡骸から淡い光を発したかと思うと、そのまま光の粒子となって足元から次第に消失していく。それに気付いた唯は、泪を流しながら、それでも咄嗟に律が付けていたカチューシャを外し、優しく、そして強く握り締めた。
そして、それから幾ばくかの時が過ぎた頃。余りの哀しみと絶望と悔恨の念に囚われ続け、その場から動けないままの唯の視界が再度歪み、彼女は何かに包まれる感覚を薄れゆく意識の中で再び感じていた……。
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