196:1です。 ◆CIZA6sfEUc[saga]
2011/09/25(日) 23:44:26.35 ID:kE/gwPSmo
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「大丈夫よ。妹は彼を信じてるでしょ」
志乃は答えない。ちょっと照れたように体を動かす。
「人間は複雑。きれいなだけじゃないけど、汚いばかりでもないわ」
志乃は納得したのかしていないのか、僕の肩に頭を乗せて、一度だけ深呼吸をした。
「次の事件から手伝ってもらう。研修ついでに私も同行するから心配要らないわ」
この人は何でもさくさく決めてしまう。
彼女を人間らしくないと思うとき、その根拠は彼女が迷わないことだと思う。
「私は出かけるわ。今夜は帰らないからここで寝てちょうだい」
「おねーさんどこいくの?」
志乃が心配そうに尋ねる。
彼女の仕事を聞いた後なら、見送るのが不安にもなるだろう。
「週末だからね。私も回復するのに血が欲しいから。
酔っぱらって眠りこけてるリーマンから、ちょっとずつ頂くの」
今後、泥酔したおっさんに小さな傷があれば、その中のいくつかはお義姉さんの仕業だと思うことにしよう。
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