459:1です。 ◆CIZA6sfEUc[saga]
2011/10/25(火) 00:17:15.20 ID:5a9u01gIo
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「あー、でも俺、むきになるのちょっとわかるわ」
長野が僕のノートに目を落としながら言う。
「おお、わかってくれるか」
シャーペンを置いて手首を回す。
仮に腱鞘炎になったとして、原因が「マルの描きすぎ」なんて恥ずかしい。
「貸して貸して。俺、結構得意なんだよねー」
「ん」
シャーペンを渡す。
長野は適当な余白を見つけると、迷いなく、シャッとペン先を走らせた。
「どうよ、これ」
粗を探せないこともないけど、ぱっと見た感じ、円だった。
「なん……だと……」
僕の昨日からの丸一日の苦労はなんだったんだ。
「お前、なんか練習した?」
「まあ、たまに描いてたけど、そんな必死にはやってないかな」
「はあぁあああ?なんだよこの美しさは。一朝一夕で身に付くもんじゃねーぞ!」
「そんな必死にならなくても……」
そうだ。たかがマルだ。
だけど今回ばかりは身を守りうるマルなのだ。
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