494:1です。 ◆CIZA6sfEUc[saga]
2011/10/30(日) 23:31:29.88 ID:CmeA+eYXo
44
―――――火曜・学校―――――
志乃は頭の後ろで、丸く髪をまとめていた。
「なに、メイド長?」
「これで髪が伸びても、しばらくは大丈夫」
「賢いな」
「ふふふん」
彼女は得意そうに鼻を鳴らした。
ふと、先週から空いている席に目を移す。
「どうした」
「いや、今日も来てないなって」
「あー」
昨日の彼女と、唯一親しそうにしている女子だ。
(志乃に、虫っぽいの見えたって言わないほうがいいのかな)
(でも、あれが呪いだったら?)
(彼女は呪われてるのか、呪ってるのかもわからない)
彼女の席も空いている。
(彼女は、どっちだ?)
事情を聞ければいいのだろうが、僕から話しかけるのは不自然だ。
かといって志乃に接触させるのも嫌だ。
(呪ったり呪われたりなんて、やっぱり嫌だな)
そんなことを考えながら、僕は手を動かしていた。
1002Res/521.16 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。