過去ログ - 女「人間やめたったwwwww」
1- 20
522:1です。 ◆CIZA6sfEUc[saga]
2011/11/03(木) 23:09:30.75 ID:kCQ/gxjKo
61

「神田さんは何で文芸部に目覚めたの?」

志乃がお茶を配りながら聞く。
神田さんは棚から茶菓子の入った盆を出して、机の真ん中に置いた。

「正直、夏休みまではどうでもよくてさ。ほんとに幽霊部員でいるつもりだった」

好きなことについては、気分良く話してくれる。
そのへんは普通の人だ。

「あたし、全国見ちゃった」

「まじすか」

いきなりのインターハイ級発言と、文芸部にそれに相当するような大会があることに驚いた。
黙々と書いて発表してるだけじゃないのね。

「何もしなくて行けるもんなの?」

「先輩の七光り。去年の実績のおかげでさ。
 で、勉強して来いって放り出された。あ、引率で先生付きだったけどね」

この人はこんな目ができるのか。

「で、全国はどうでしたか」

「すげかった」

と、彼女は拳を握る。

「幽霊でいるの、もったいなくなってさ。今度は絶対自力で来ようって思った」

神田さんの見ているものは、僕たちとは違うのか。
彼女の愛想の無さは、周りへの敵愾心ではなく、ただの無関心だった。
その証拠に、こちらからのアクションにはきちんとリアクションを返してくる。

(俺はこの人を誤解してたんだな)

僕は心の中で一言だけ詫びた。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/521.16 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice